フローティングコンストラクションの誕生
「Y」は2001年の11月に誕生した。友人Yさんの眼鏡はいつも傾がっていて、私は
彼以上にそれが気になっていた。そこで彼の為にメインフレームは彼の頭部に合わ
せて作り、レンズはフレームと分離して目の直前に吊り下げた。
このデザインはフレームが変形してもレンズは動かないので光学的に優れている。
つまり従来の眼鏡がフレームを硬くすることでレンズを固定し、つるで頭部に圧力を
分散していたのに対し、カチューシャの様にフレームとつるの全体がしなって頭部を
包み込むので優しい掛け心地を生む。また同時にホールドが良くズレてこないのである。
Yさんの眼鏡の傾きはこれで解消された。
私はこの新しい構造に「フローティングコンストラクション」と名づけた。
この眼鏡は細くシンプルであるが、離れても「Y」と識別出来る程の個性を持ち合わせている。
いまから丁度14年前のことである。 続く・・